MIX ミクス
【動】(他)
混ぜる:混合する:交際させる
MIXIM ミクシム
【名】
MIX(×)MIX(造語)
MIXIM☆11 ミクシム・イレブン
【名】
・「様々なモノ」を11種混ぜる
・12-1=11
今回は漫画のキャラクターではなく、作者の安西信行先生。
安西先生の漫画には青春の始まりに出会い、ドハマりしました。迫力のある絵と生き生きしたキャラクター、慈悲の心が一切生まれないような下劣な悪に対峙もすれば、すごく純度の高い優しさや決意のシーンにも出会える。あとたまにエロイ。
そんなこんなで自分の中にいい波風をたててくれる、楽しい漫画を描いてくれる安西信行先生。しかしこのMIXIM☆11(ミクシム・イレブン)の最終巻巻末の一文、
〝人生で一度だけ漫画を憎んだ事があり
自分自身を確かめる為にもこの作品を作った〟
という何やら不穏な一文。安西先生の作品を読んで、楽しいなぁ~と思っていた、終わるたびに、寂しいなぁ~と思っていただけのただの漫画読み人にはなかなかショックな一文でした。
安西先生はミクシム・イレブンで何を確かめたのか。
MIXIM☆11(ミクシム・イレブン)
全くモテない男子高校生三人組。その三人が実は異星、ポラリスの人、しかもうち一人はその星の王子様だった!地球にいる〝星座型のしるし〟を持つ女の子を嫁として迎えて王位を継承しなさいっ、ということで物語は始まります。そして現れる敵対組織BB0(ビックバンゼロ)。王位継承を阻止するために女の子にまで危機が押し寄せる。戦う力を高めていきながら、物語が大きく膨らんでいく。
MIXIM☆11(ミクシム・ イレブンの終盤)
いきなり終盤にとびます。
さらわれた仲間を救い敵を討つため、ビックバンゼロの本拠地(惑星コカブ)へ向かう主人公一行。
激しい戦い、敵組織の歴史が明かされ、そして目覚めてしまうコカブ最凶の怪物。コカブ住人のビックバンゼロすら恐れ、ぎりぎり抑えられてきた怪物は、〝宇宙を逆再生〟〝ビックバンを生んで〟〝宇宙を再構築する〟と言い出す。主人公は仲間やビックバンゼロのボスの力も借りて、これを阻止すべく最後の戦いに向かう。
一点突破
最後の戦い。主人公は様々キャラクターの力を借りて、それは力を混ぜ合わせることで強大な力にして怪物に挑みます。全てを無にしようというゼロの力と掛け合わせられたミクシムの力の戦い。これがそのまま安西先生の内面だったんじゃないか、と漫画を読んでいてビシビシと思わされるところ。
〝漫画を憎んだ〟と書かれた部分。でも最初に漫画家になられたときはそうじゃなかったはずで、そうなってしまった自分、まるで漫画家生活をなかったことにしたいような虚無感を感じてしまったのだろうと。それがミクシム・イレブンからビシビシ伝わります。そして同時に掛け合わせる力、それは人との出会いだったり経てきた経験だったり。それを虚無に対抗する力として〝漫画を憎んだ〟ことに対して人生の全てで戦いを挑んだのだろう、とミクシム・イレブンを読み、最後の安西先生の直の言葉を読むと感じることであります。
〝自分自身を確かめる為〟と書いた安西先生は、
〝「漫画」好きです
この作品も愛しています〟
と書いています。最後にちゃんと勝てたんだ、と思えた。とても嬉しい。 自分自身、安西先生の作品が絶対に自分の人生に掛け合わされている、と言い切れるほど真正面から楽しんできました。面白い漫画を描く人です。感謝
余談
終わりの一文に、
〝ここぞというシーンや台詞を生む時に
その時 頭を回る「魂の叫び」を重ねるクセがあり〟
と書かれています。そういえば、活きのいいセリフが飛び交う。それはいつ読んでも新鮮に感じさせる、安西先生の作品の良い部分だなぁと思いました。
おわり
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