現在(21/9/23)も週刊少年ジャンプで連載中の漫画、破壊神マグちゃん。
久々のクリティカルヒット。ジャンプの連載はどれも楽しく読んでいますが、自分を支配されていくようなおもしろさに驚いております。
あらすじ
どこかの海辺の田舎町。中学二年生の主人公・流々(るる)が潮干がり中に謎の宝石を発見する。これは大金持ちになれるぞ、と思った矢先、その宝石を誤って破壊してしまう。中から黒い何かが噴き出でて、その集束のあとには、喋るタコ?
と出てきたのは600年前、聖騎士団に封印された破壊神マグ=メヌエクでした。マグ=メヌエクは自らを、
「太古の時代よりこの世界を支配せし上位存在
下等生物(ニンゲン)共は我々を混沌の神と呼び畏れ敬った
我はその一柱…『破滅』のマグ=メヌエク」
と説明する。しかし封印による弱体化が著しかったこともあり、肉体の完全復活のために流々との生活を始める。流々は〝メヌエク〟を覚えづらかったので、〝マグちゃん〟と呼ぶことにしました。
マグ=メヌエク(マグちゃん)
「我を形容する言葉はこの世界には存在せぬ
いうなれば上位存在…」
と話すマグちゃん。その昔人々からは破壊神と呼ばれ、畏れられたり、恐れられたり。破壊を司る邪神と呼ばれ、畏れられたり、恐れられたり。
〝破滅の眼光〟はその光線のあとには跡形も残らないほど強力であり、栄養過剰摂取時の爆裂から、そしてそれらを凌ぐ強力な破滅技まで。
喋り方は尊大で、人間を虫けらと呼び、破壊の願いを何度も聞いてやったが同族争いばかりしている哀れな下等生物とマグちゃんは言い切ります。
しかし新たに出会ったこの流々という人間は、知性はないが、破壊を求めることもなく、それでいて自分と対等の立場であろうする不思議に、破壊神マグちゃんは興味をひかれるのでした。
流々との生活で破壊神は、危険な台風を消し飛ばしたり、迷子の捜索に力を貸したり、まるで破壊神とは思えぬ行動をとっていきます。もちろん天真爛漫な少女、流々の力もありますが、そもそも〝悪意〟とか邪神と呼ばれる割に〝邪さ〟なんて微塵もないよね。と思っていた矢先、28話「福豆と鬼」でマグちゃん自身が語るのでした。
28話「福豆と鬼」
流々と一緒に節分の行事に興じるマグちゃんは、玄関から外に向かってお気に入りの豆〝納豆〟を放るとそこには聖騎士団の末裔・イズマが。「今日こそ貴様を討ち滅ぼしてやるッ!!!」とイズマが切りかかるも止められ、その後は豆を投げあう節分対決に。しかしイズマは悩んでいた。破壊神、邪神と信じてきたマグ=メヌエクは戦わなくてはならない、滅さなくてはならないもの。しかし実際会ってみると、人々に仇なすどころか熱を出す流々を看病していたり、なにが正しいのかわからなくなってしまいました。その迷いをマグちゃんにそのままぶつける。
そしてその時のマグちゃんのお話がまさになのです。
「破壊神だの邪神だのを我が名乗った憶えは無い
我が権能を畏れて下等生物共がそう呼ぶだけだ」
と話すマグちゃん。うぉぉぉーと燃える瞬間でした。マグちゃんは悪ではなかった!(人間はおもいっきし悪だけれども)
マグちゃんはただ『破滅』という権能をもつ上位存在の一柱でしかなく、
それを利用してきた人間が破壊神と呼んだり、対立していた聖騎士団に邪神と呼ばれていたんですね。いやぁまぁ流々がすごいって話です。
余談
マグちゃんほんと面白い。特に言葉のセンスがハマってハマって抜けられない。納豆をマグちゃんが食した時、
「まとわりつく粘液と腐臭が混沌を想起させる…」とか、掃除での、
「床に蔓延る汚点共が。消え失せるが良い」とか
いちいちすんごい好きなわけですが。
そんなマグちゃん、その昔『破滅』としての他者との繋がりばかりでした。それが今では流々を始め様々な人間と、そしてマグちゃん以外の封印されていた上位存在や、ちょっと立場の変わった聖騎士団、そして眷属まで、
これまで味わったことのない他者との繋がりによって、マグちゃんがどんな感興を見せてくれるのか、楽しみ。
なのでジャンプのアンケートに清き一票を!
おわり
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